~和樹side~

「あたしには、愛していた婚約者がいたの。」


忘れ物をしてあわてて家に帰り、二階に上がって優華の部屋の前を通ったとき、その声は聞こえてきた。


どうやら、優華の昔の話をしているようだ。

盗み聞きはいけない


わかってはいたけど聞かずにいられなかった…