「ギリギリ着いた!」

先輩が笑顔で振り返る。


「急がないと始まるよ。会場は…わかるよね?」

あたしが頷くと、先輩はまたいとも簡単にあたしを抱きかかえ、バイクからおろした。


「じゃあ、俺は行くわ。またあえると思うよ。同じ大学生だしね。」

先輩は手を振って再びバイクで走っていった。


あたしは、高鳴る鼓動を感じながら会場に向かって走った…