「御免こうむる。絶対に一緒に転んでなんかやらない」

「海斗の彼氏としての精神を疑うわ!彼女をなんだと思ってるのよ!!」

「人の脛にかじりついて離さない図体だけでかい女」

「海斗ー!!」

言わせておけばー!!

「不思議な喧嘩するなー、お二人さん」

背後から声をかけられ同時に振り返ると、珍しいものを見た顔の亜紀たちと

独りだけ楽しそうに笑う弘毅が視界に入る

「喧嘩つーより、あれか、ただのじゃれ合いか」

うんうんと自分の解釈に満足そうに頷く弘毅に海斗の細められた視線が飛ぶ

「これがじゃれ合いに見えるか?」

「見える見える」

「…今度うちの眼科を紹介しておく」

一回精密検査をした方が今後のためだぞ

「有りがたく受けさせて貰うよ。割引、してくれるんだろ?」

「ばか。割増だ」

弘毅と海斗のやり合いが始まったので、亜紀はいそいそと弘毅の隣から離れ、

しるふの隣に並ぶ