「人生で一番気を使う日のような気がする-」

なんとか準備を終え、終始淡泊な海斗の運転する車で実家を目指す

別に車を使う必要はないんじゃないかと思うけど

寒がりの海斗はきっと外を歩きたくないのだろう

助手席でしるふは、すでに緊張に唸っていた

視線は険しく、常に前方を向いている

「何度も言うけど、姉貴はなんか知らんがしるふに好印象」

だから少し落ち着けば?

ハンドルをいじりながらそういうと助手席から鋭い視線が飛んでくる

「どこに挨拶する前から啖呵切った彼女がいるのよ」

しるふが海斗の家族にしられるきっかけとなった例の出来事

人呼んで、宮本製薬会社令嬢妊娠事件(デマ)

で信次の目の前で宮本令嬢に啖呵を切ったしるふは、

どんな顔をして会えばいいのかこの何週間か悩みっぱなしだ

どうして何かと普通ではないんだろう、自分たちは