そこまで緊張しなくてもいいんじゃないかと海斗は思うのだが、

そうでも言おうものなら

「海斗は女心が分からないのよ!!彼氏の家族に会うのよ!?どうやって落ち着けっていうの!!」

と、お決まりの言葉をいただきそうなので何も言わない

黙って彼女の準備が整うのを待つことに徹することにした

そうそう、なぜしるふと海斗が海斗の実家に赴かなければならなくなったかというと

哀しいかな

別に海斗が「そろそろそういう時期じゃん?」なんていう提案をしたわけではない

去年の暮れ、海斗が長期出張をしていた時に起こったとある事件

巻き込まれたしるふと海斗の父・信次

その事件の最中、信次にしるふと海斗の関係がばれ、

結果、海斗の姉・沙希にしるふの存在が伝わった

そして姉からの

「海斗ー、全然家に帰ってこないと思ったら何ちゃっかり彼女作ってんの?しかも結構、かなり?べたぼれなんだって?連れてきなさいよ、連れてこないと病院でもあんたのマンションでも乗り込んでやるんだからね」

という強迫染みた留守電の末、新年に連れて行くことで妥協したのだった