「…そうかもしれない」

言い当てられては何も返せない

「ねえ、」

少し人が少なくなってきたアーケード街

見上げると明るい空が見える

「少しさ、怖いって言ったら怒る?」

何が、と海斗の瞳が見下ろしてくる

「先に進むのが。今の生活がとことんはまっちゃってるもん」

「それはお互い様」

どこにいたってしるふが隣に居る

その生活に慣れ過ぎている

結婚して、子供ができたらもしかしたら医局を離れるかもしれない

そしたら海斗と一緒に入れない時間が増えることになる

今のままなら不安なんてないのに

でも、

「このままじゃいられないもんね」

雪姉うるさいし

最後は冗談交じりに苦笑しながらのつぶやきだ