「強制帰還だなんて、一体どういうことですか?」
「下界にいる死神たちを、早急に天界に戻す必要があったんですよ。その為の強制帰還です」
「それは、下界の城が襲われていたことと何か関係があるんですか?」
「…………」
笑顔のまま口を閉ざす長。
「答えて下さい!長!!」
「天界は、暫く下界への干渉を一切しないことに決定しました。故に死神稼業も暫くはお休みです」
「なっ…!!」
「これは、天界の長の決めたことです」
私が何か反論をする前にピシャリと言われてしまった。
天界において、天界の長の決めたことがすべて。何者も覆したり、ましてや反抗などできない。
「……魂の回収は、どうなるんですか?」
「心配には及びませんよ」
穏やかな声で言葉を続ける長。笑顔が張り付いたまま表情1つ変えることはない。
「暫く、魂の回収は必要なくなるからです」
「え…?」
必要ない………?
長の言っている意味がまったくわからない。
「口で説明してもわかりませんよね。場所を移動しましょう」
コクリと頷き、カプセルから降りた私は、白い空間に足を下ろし、死神の長の後を付いて行く。
どこまでも続いていく白い空間。
整列されたカプセルの中には、まだ眠っている他の死神仲間が所々にいた。