逃げる場所はいつも決まって体育館だ。
今日も天気がよくて、二階の渡り廊下を通るのは気持ちがいい。
体育館の入り口までくるとボールがはずむ音が聞こえてきた。
中をのぞくと当たり前のように冬花がいる。
今日の空気はとても澄んでいるせいか、高いところの窓から降り注ぐ光が幻想的に見える。
その中に立つ彼女はなぜか、この世の人ではないように感じた。
彼女が俺に気付いて手を振ってきた。
やっと夢から覚めたみたいな気がして俺は名に食わぬ顔で喋り始める。
「今日も練習?」
俺はできるだけ彼女の顔を見ないように、ボールを取る。
「うん。今日も入らないんだ…」
俺は冬花の隣からスリーポイントシュートを決めてみせた。
「葉山って嫌な奴〜。」
文句ありげな冬花に俺は笑った。
冬花とはシュート練習で昼休みによく一緒になることが多くて、仲良くなった。
「もう昼ご飯食べたの?」
「え?」
「手ぶらだったから…」
俺はこの時やっと自分が昼メシを持っていないのに気付いた。
わざわざ教室に取りに行くのもめんどうだし、五島と女子たちにできれば今は会いたくない。
今日も天気がよくて、二階の渡り廊下を通るのは気持ちがいい。
体育館の入り口までくるとボールがはずむ音が聞こえてきた。
中をのぞくと当たり前のように冬花がいる。
今日の空気はとても澄んでいるせいか、高いところの窓から降り注ぐ光が幻想的に見える。
その中に立つ彼女はなぜか、この世の人ではないように感じた。
彼女が俺に気付いて手を振ってきた。
やっと夢から覚めたみたいな気がして俺は名に食わぬ顔で喋り始める。
「今日も練習?」
俺はできるだけ彼女の顔を見ないように、ボールを取る。
「うん。今日も入らないんだ…」
俺は冬花の隣からスリーポイントシュートを決めてみせた。
「葉山って嫌な奴〜。」
文句ありげな冬花に俺は笑った。
冬花とはシュート練習で昼休みによく一緒になることが多くて、仲良くなった。
「もう昼ご飯食べたの?」
「え?」
「手ぶらだったから…」
俺はこの時やっと自分が昼メシを持っていないのに気付いた。
わざわざ教室に取りに行くのもめんどうだし、五島と女子たちにできれば今は会いたくない。



