まもなく車は、林道を抜け幸福岬に着こうとしていた。 車から降りて崖の前まで歩いて行くと、鉄平の方から話し掛けてきた。 「真衣、やっぱりここは絶景だ。どこまでも続く水平線、コバルトブルーの海と澄んだ空。真衣は、幸福岬から新に出発したんだ。だから、絶対に幸せになれよ」 「鉄平なんか変? でもありがと」 「本当のことを言うと、ずっーと先の未来から来たんだ」 「未来?」