明日はアシタの風が吹く!<第三話>

山の頂上で虎の吠える姿が彫られた、漆塗りのような立派な扉の前に来た。


コンコン!


防空壕のフタを開けたあのヤクザが、緊張しながら扉を叩く。


「失礼します!」


部屋の中には物々しい刀や、『慈愛』『誠心誠意』と書いてある額縁があって、いかにもヤクザな感じ。


正面の真っ黒くて分厚いテーブルで、なにかを書いている男の姿が見えた。


「組長、連れて来ました!」