「んじゃあ、これでホームルームを終わるー」

『ありがとうございましたー』

自己紹介とか色々終わってやっとさよならが出来た私は、誰よりも早く教室から抜け出して、保健室に向かって猛ダッシュした。

だが、猛ダッシュといっても、一応人より体の弱いわたしは(ぜんそくとかなんとか色々呼吸器官に関係した持病があるのだ)他の人でいうかけあしのような速さで走っていた。

まぁ、持病があるからといって別に体調が悪くて保健室にむかっているわけではない。

ただ、私は、保健室の先生をやっている姉、久欄紗弓(さゆみに会いにきただけだ。

「はぁっ・・・・はぁっ・・・」

保健室の前についたところで息をととのえる。

そうしないと、保健室に入った時に息があれていると、姉さんに心配をかけるから。

これ以上ねえさんに迷惑をかけたくないから。

わたしを泣きそうな顔で心配する姉さんをみるのは、つらい・・・。

「すぅー、はぁー・・・・」

コンコンー・・・

だいぶ呼吸がおちついたところで、ドアをノックした。

「はーい」

と、どこか気が抜けたような、優しい返事が返ってくる。

ガチャッー

返事をきいてドアを開けた。

「姉さんー・・・・」

「あら?愛歌じゃない!久しぶりね!会いたかったわー!」

ドアをあけて誠兄さんの事を聞こうとしたがその前に姉さんにだきつかれてしまった。