私は、他の人と異なることがある。

まずはこの瞳の色だ。

普段は普通に黒いのだが、感情がたかぶると

真紅色に染まる事がある。

これは、私の姉も同様で時々真紅色になって

いるのを見たことがある。

一種の遺伝なのか、それとも科学では説明

できない事が起こっているのか。

それは誰にも分からない。

そして、最大に異なっているのは、

霊や妖が見える事。

この入学式の最中でさえ、ステージに立って

話している校長の少しハゲた頭をペシペシ

叩いたり、髪えお引っ張たりしている霊がみえる。

それをみてついつい笑ってしまいそうになる。

でもここで笑うと、校長のハゲた頭を笑ったように

見えるだろうから、やめておきたい。

私も時々イタズラされる時がある。

例えば、私の長い髪が気になるのか、子供や、

特に赤ん坊の霊が、引っ張ってきたり、廊下

を歩いていると足をひっかけられそうになったり、

このせいで小学校の時こけたりして笑われた。

まぁ、でもおかげでちゃんとよけれるようになったが。

そして、廊下とか地面に寝そべっている奴らを

よけながら歩いていれば周りに変な目で見られていた。

その結果、私は学校で孤立していた。

多分、この高校でも孤立するだろう。

だって、今、この入学式の最中でさえ聞こえる。

〝久欄愛歌(クランアイカ)は変な子、だから近づかない
 ほうがいい″

しょうがないだろ、私だってこんなふうになりたくて

なったんじゃない。

そう思ってうつむきかけた時に新入生代表あいさつで

よばれた。

“新入生代表 久欄愛歌”

“はいっ”

と言って立ち上がり、ステージに上がって私は

一礼して先生から貰った原稿を読み上げたあと、

またまた一礼してステージをおりた。