いつも通り、あたしは登校する。 靴箱に向かい、靴を履き替える。 「おはよ」 そんな声が飛び交う。 「大平、おはよ」 あたしの名前を呼ぶ、少し幼げな低い声。 「上崎……おはよ」 隣の席の上崎。 不運な事に教室に行く前に彼に会ってしまった。 あたしは彼がなんとなく苦手だ。 雰囲気、と言うか…… なんか…落ち着かないんだ。 【上崎 俊(うえざき しゅん)】 あたしは彼を、 なんとなく、という理由だけで、 少しだけ避けている。