矢刺さる先に花開く



「経子殿」


「これは。御義母上さま」


ある日、時子が経子の元へやってきた。


「此度の重盛の件…さぞお気に病まれておられるだろうと思いまして」


「……はい」


「もう幾日、重盛と顔を合わせておられなんだか…?」


「確か…もう半月ほどまともに」


「そんなにも」