その後暫くし、清盛一家は六波羅へ戻っていった。 罪人たちも捕らえられ、前までの日々が帰ってきたかと思ったら――そうではなかった。 後白河帝の乳父、信西入道が罪人たちへの死罪を、平清盛と源義朝に命じたのだ。 つまり――平忠正の首が、平清盛の手により…… (重盛さまは…) この事を聞いた経子の気持ちは、何より先に重盛に向いた。 (どうか、どうか斬首など――!)