矢刺さる先に花開く



「実は…私は明日の戦が初陣でして…」


自然に言葉が口から出てきていて、その事に気付いたのは全て言い終わってしまってからだった。


(経子殿に自分の心配事など申してしまった…!)


焦っていると、


「左様にござりましたか…」


という、優しい声が。


「されど、鍛練を怠ったことはないのでござりましょう?ならばきっと大丈夫にございます。ご自分を信じて下さりませ」


――自分を、信じる…?