父上に言われてやってきたのは、暫く御世話になる、おばばさまの従兄弟であった故・中納言家成殿の御邸だった。 ――父上の御為、働かせていただけるのか… ――いや、活躍どころか命を落とすやもしれぬ… 此処へ参上つかまつる前より、ずっと思っていたことだった。