「今夜は月が美しゅうござりますね…。貴方のお陰で眠れそうです」 「滅相もござりませぬ。では、明日。御武運を御祈りしております…」 (……って、私ったら、妻でもないのにかようなこと…!) 「有り難き御言葉。では…」 当の重盛は気に留めてはいないようで、すぐに去ってしまった。