矢刺さる先に花開く



「……私は、ある御方の妻でありました。その御方との間に、おのこも二人授かり…幸せな日々を送っておりました」


だが。


「それより前から、何となく体の調子が優れておらなんだが…その時はもう遅かった。私は…当事都を悩ませていた、疫病に罹っていました」


気付くと、明子の瞳には涙が溢れている。


「最期まで、我が殿と我が子等は私を待っていてくれたというのに、私は…私は…!」


(明子様……)


経子の瞳にも涙が溜まっていた。


…だが、経子は明子の話から、何かが分かったような気がした。


(――もしかして)


「明子様は…我が殿の御母君でいらっしゃいますか?」