矢刺さる先に花開く



「…………え……?」


(今、この御方は何と……)


今、こうして目の前にいる明子が死んでおる、など信じられるはずがない。


「な、何を仰せです…。今こうして、お話をなさっておられるではないですか……こうして、触れられるではないですか……」


経子は震える声でそう言い、明子の手を握った。


「…それは、此処が生死の境ということもあるのでしょうな」


どこか哀しそうに微笑み、震える経子の手を握り返す。


(そんな……先程も、私にしがみつき、お助け下さったではないですか…)


「では…誠に亡くなられておられると仰せならば…何故貴女様は、此処に……?」


すると、明子の瞳が一瞬揺れた。