(何故、あの御方は殿のことを……。それに、病、と仰せられましたが…私は何の病だったかしら) 次から次へと、頭の奥に隠れていた疑問が出てくる。 (それに、此処は何処…?誠に六波羅ならば、何故誰もおらぬのか…) ――そして。 (ただ一人いらっしゃる…明子様。貴女は一体、何方なのでございますか……?) そう考えていると。 何処からか琵琶の音色が聞こえ、経子を眠りの世界へと誘う。 (あ……また…) 次第に目の前は真っ白になり――何も考えられなくなった。