「父上――まさか、徳子を…」 「左様。帝の后に」 目を丸くした重盛の問いに、清盛は何でもないことのようにあっさり答える。 尤も、一番目を丸くしているのは徳子自身だが。 (と、徳子殿を、帝の后に…!?) 経子を含む一門も大層驚いていた。 それらにも構わず、清盛は入内の仕度を進めていった。