日に焼けた顔についている整った形の唇と鼻。 常に何かを思案しているような…それでいてどこか優しげな切れ長の目。 その一つ一つが、経子の目を惹き付けた。 ずっと見つめていたのか、重盛の不思議そうな顔がこちらを向いてきて、慌てて視線を逸らす経子。 (重盛さま…と仰せられましたか)