(昼間はあんなにお元気であられたのに…!?) 突然のことに、経子を含む一門中が動揺していた。 清盛は先程からずっと死線を彷徨っている。 (御義父上様に万一のことあられれば……その時は) 経子はちらりと夫の方を見た。 そのことは先程も時子に念を押された重盛自身が一番わかっているらしく、いつも以上に顔を強張らせていた。