それから暫くして、平家の棟梁一家が経子の所領に入ってきた。 「此度は御世話になりまする、経子殿」 平清盛とその妻・時子が言った。 「滅相もござりませぬ。どうぞ、ごゆるりと」 などと会話をしていたら、足音と共に「母上!」と言う声がこちらに向かってきた。 「何事です、重盛」