執事の戯言


「もう!バカ執事!そんなことを訊いてるんじゃないわ!」


耳まで真っ赤にしながら、さっと手を離すお嬢様。


昔のお嬢様もいいけど、今のお嬢様の方が、口説きがいがあって面白い。


「あ、そうだ」と言って、急に話を変えられた。


「何ですか?」


「いつもの送り迎えだけど、今日からは校門前だけでいいわ」


それは、予想もしなかった言葉であり、俺に深くダメージを与えた。


「えっ!?なぜですか……?」


「なぜって言われても、もう私、中学生よ?恥ずかしいじゃない」


『恥ずかしいじゃない』


『恥ずかしいじゃない』


『恥ずかしいじゃない』


頭の中で山びこのごとく再生される『恥ずかしいじゃない』。