執事の戯言


広さ、約163643㎡、東京ドーム3.5個分にも誇るこの屋敷は、無駄に広いというか、金持ちならでわの豪邸だ。


さっき通ってきた林も敷地内で、色々な家庭内栽培も、行っている。


ほかにも、ハワイやグアムなどの観光地にはもちろん、他国に別荘をいくつも建てていて、所有している土地の値段で小さな国の1つや2つ、買えるほどだ。


そんな家でご令嬢であらされるお嬢様は、いつも危険が付き物だ。


主に誘拐が多いが、それらからも守るのが、私の仕事。


だから…。


「お父様!お父様どこにいるの!?」


着くや否や、車から飛び出し、急に外に出られると、かなり困るんです。


「お嬢様、旦那様なら書斎におられるかと
思いますから、そんなに
慌てないで下さい!」


主に生活している一番大きな豪邸から、慌ててメイドが出てきて、お嬢様から荷物を預かりに駆け寄っていく。


同じく出てきた執事に車を任せ、俺もお嬢様の後を追った。


自分の視界に入っていないと、心配でたまらない。


いくら敷地内といっても、危険がないとは言い切れないのだから。