執事の戯言


でも彼女は純粋だ。


自分の一つ一つの仕草で俺が悶えてることなんて、考えもしてないだろう。


全く、罪なお人だ。


「……はぁ、分かりました。この件は、お嬢様の可愛さに免じて、了承しましょう」


「だから、お世辞はいいってば!あっ、もうこんな時間!?優、早く車を出して頂戴!」


「かしこまりました」


っとは言っときながらも、お嬢様に片想い期間、五年と少しの俺が、そう易々と了解するわけがない。


お嬢様は容姿端麗うえに、心優しいお方だ。


絶っ対にどこかのボンクラが手を出すに決まってる。


俺以外の男と喋るのさえ、聞いたらイライラするのに、触れられでもしたら、考えただけでも虫酸が走る。


出来れば、一晩中お側におりたいところだが、そういうわけにもいかない。