「そうですよ。

 さぁ、お入りなさい」



すごく、怪しいのに

俺はその門をくぐってしまった









ソファに座らされて

出された紅茶に口づける



「さて、

 アナタは何がほしいのですか?」



黒猫を膝の上に乗せて、

自分より少しだけ大人っぽい女は

微笑みながら俺に聞いてくる



「欲しいモノ・・・」



「はい。ここは人貸し屋。

 どんな方でもお貸しできます」



「どんな人でも・・・」



絶対、あるはずないのに

そんなこと・・・出来るはずないのに



「・・・その前に、アナタの名まえは?」



「あ、佐藤です。

 佐藤 魁利です」