★レイside



「・・・帰ってしまいましたね」



黒猫を抱きかかえて

屋敷の奥へと足を進める



「主様~!待ってよう!」



白い服を着た昼が

後ろから追いかけてくる



「今回は全然だったのに

 何でお代をもらわなかったのさ」



「昼・・・

 私はお代をもらうために

 人貸し屋当主をしているのでは

 ありませんよ?」



すり寄ってくる昼を

夜を抱えている方の別の手で

優しく撫でてあげる



「にゃあ」



夜はするりと私の腕から

滑りぬけ、一回転して

人間の姿になる



「・・・いつも言ってるだろ。

 客の欲を1番に。

 昼はそれを全く考えない」



呆れたように言う夜