目を開けると

白い戌と黒猫、そして女当主しか

俺には見えなかった



隣にも、誰もいない



「・・・・・・・・・」



「やはり、悲しいですか?

 もう一度この瓶を開けますか?」



「・・・・・・いえ。

 約束しましたから」



「・・・そうですか」



怪しく微笑む女当主



「あの、お金は?」



確か、お金は3日後って言ってた

でも今日返したし

だからお金も今日払わないと・・・



「いえ、お代はもう頂きました」



そう言って俺が返した瓶を振る

女当主



「は?」



「それと、アナタには

 この人貸し屋の場所を

 忘れていただきます。

 アナタとはこれでお別れ」