人貸し屋




学校に着くと、

一葉の友達も俺の友達も

一葉のことを知ってる人

全員がなにもなかったように

一葉や隣にいる俺に話しかけてくる



おかしい

一葉は死んだはずなのに・・・



「・・・じゃあ魁利、

 休み時間に遊びに行くからね」



「おう。

 ・・・いつでも来い」



「帰りは?一緒に帰れる?」



「・・・いや、今日は一緒に

 帰れないから先帰ってろ」



そういうと、

一葉は少し悲しそうにしながら

微笑んだ



「そっか・・・

 わかった。じゃあまたあとで」



俺は一葉と別れて自分の教室に入る

やっぱり、一葉がいることに

誰も違和感を感じていなかった



やっぱり、あの瓶のおかげで・・・

・・・あの瓶さえあれば、

一葉はずっと生きてる―。