君は相変わらずモテモテだね。
まわりは、目をハートにした女の子ばかり
また、叶わないんだね。
ああ、泣いちゃいそう。
と、君の横を通り過ぎようとしたとき
一筋の涙が頬をつたった。
ハイヒールの独特な足音をたてながら
出口に向かった、その時。
ガシッ
びくっとわたしの肩が動く。
だれ?分かってる。期待しちゃダメ、どうせ君じゃないよ。
「………」
ずっと喋らない、わたしの腕をつかんだまま離さない人。
「なんで、ないてるの?」
「えっ?」
「えっ、じゃなくてさ、なんで?」
だって、君の声がするんだもん。驚くよ。
振り向くと、そこにはやっぱり君がいて。
「好き」って抱きつくと、「俺も」って抱きしめてくれたんだ。

