顔をあげると...それは北村くんで、
「なんで...」
「だって俺のこといっつもつけてくるやつがいきなりさ
お前連れてったし、顔笑ってねぇし、
お前も断りたそうな顔しながら断んねぇし。
気になってきた。」
「...ぐす..」
「怖かったのか?」
「..怖かった...」
「じゃあ、泣けよ好きなだけ。」
といって、北村くんは私を抱き寄せて、
「泣きたい時言えよ。」とかいつもと違う優しさがあって、
キュンとした。
なんで、優しくしてくれるのかはわからないけど..
嬉しかった...。
で、私が泣き止むと、
「泣き止んだか?」
「うん」
「よかった」
と、笑顔を見せてくれた。
こんな北村くんなんてはじめてだった。
いつも私に見せるのは意地悪な笑みだったから。
「ありがとう..またお礼させて?
なんでもできる限りのことだったらするから。」
「お!まぢで?」
「うん。」
「んなら考えとく。」
「うん。」
「じゃ、行くか。」
といって、私たちは教室へ戻って、
いつもどうり、授業をうけた。
気を遣ったのか、今は佳奈は何も聞いてこない。
また後で教えてねってメールで言われたけどね。

