教室に入ると、友達と話していたマリカが俺に気づいてテトテトと駆け寄ってきた。
「いやぁ、朝はごめんごめんっ♪純ちゃん」
全く悪気がなさそうに見えるその笑顔でマリカが俺に話しかけてきた。
「いや、別に全然大丈夫だったけど」
「そっかーなら良かっ……あれ?月夜ちゃん?一緒だったの?」
マリカが俺の後ろにくっついていた小坂に気付いた。
そして、何故かニヤリと笑ってきた。
「一緒に、登校、して来たの?」
「あ?ああ、まぁ」
「ヘェ〜、良かったね」
「え…なんで?」
「だって仲良く登校して来たんでしょ?」
「はぁ?まぁ仲良くってほどじゃあ…」
「……ラブラブぅー♪…」
「…なんか言ったか?」
「なんにも」
「…ねぇ、十和野くん。」
「へ?」
後ろでずっと俺たちの話を聞いていた小坂がいきなりボソッと話しかけてきた。
「……教室、入りたいの」
「え?教室?」
何のことかと一瞬思ったが、
よく見ると俺たちは教室のドア付近にかたまって話していたわけで、
位置的に教室に入りたいやつの邪魔になっていた。
ってことはあれか、小坂は俺たちの話を聞いていたわけじゃなくて邪魔で入れなかったのか…
「あああっ!すまん!ゴメン!」
「ゴメンね…月夜ちゃんっ」
俺たちは慌てて道を開けた。
「ううん。いいの」
そう言うと、小坂は静かに俺の横をすり抜け、中へと入っていった。
その後ろ姿を見て俺たちは顔を見合わせ、
「ほーら、月夜ちゃんに迷惑かけちゃったよ」
「お前がな」
「マリカじゃないよ!純ちゃんでしょー!」
「はぁー?マリカだろ!?」
「まぁまぁ、お前ら、朝から夫婦げんかは…」
「「うるさい!!」」
ここで突然入ってきた源日郎に俺とマリカはおもいっきりハモりながら文句を浴びせてやった。

