「ハイ小坂。これお前のだろ?」
そう言って俺はつかんだ紙を見せると、
小坂は「あ、ああ…!」と、いきなり慌てた声をあげながら、
いきなりバッ、とそれを取り上げた。
そして大事そうにそれを鞄にしまう。
…取ってあげてその態度はないだろうと俺が内心で思っていたら、
小坂はそんな俺に気づいたのか、かしこまったようにうつむき、
そしてこの間話した時とは全く違う、か弱く怯えるような声で俺にこう言った。
「あの…中身…見た?」
…と。
中身?…何のことだ?
あ、でも中身というか、裏面に何やら書いてあったように見えたが…あれのことかな?
「いや、別に見なかったよ」
と、俺が答えてみると小坂はホッとしたような声をあげる。
「あ…そう。ありがとう。あなたのおかげでとっても助かった」
「いーえ。どういたしまして。小坂っていつもここ通ってんのか?見かけたの初めてだったんだけど?」
「違うわ。いつもならここの隣の道を通ってるけど、今日はあなたがさっき取ってくれたアレが飛ばされたから
こっちまで来ちゃったの」

