「あのさ」
「な、なに?」
さすがに手を握ったのが少し恥ずかしかったのか、マリカはまた顔を伏せた。

「本当かな。お前が言ったこと」
「え?」
「お前がいるから大丈夫ってやつ」
「あ…ほ、本当だよ!大丈夫だよ!」
マリカの表情が明るくなった。
「ね?純ちゃんもそう思うよね!」
マリカの笑顔を見て、
俺もつられてクスリと、笑った。

「そう…かもな。」
マリカの握ってくれた手をしっかりと握り返し、俺達は学校へと走り出した。

今日は遅刻だな。絶対…
などと考えながら。