ガラガラ……


コトコトコト……


しっかり前を見て無表情で教室に入ってくる少女。

あまりにも静かに入ってきたものだから、クラス中も静まってしまった。

「………」

『………』

こちらもどうすればいいのか分からず、
ただ静まるばかり…


すると……

「ねえねえ!お名前なんていうのー?マリカに教えて〜♪」

……さすがマリカ。この沈黙の中、いつもの調子で喋り出した。
…そのおかげでさっきまでの気まずい沈黙が破れ、「可愛いー」とか「名前はー」とか喋り出す奴が出てきた。

先生「はい、じゃあ自己紹介してもらいましょう。小坂さん、軽くでいいから言ってもらえる?」
小坂、と呼ばれた少女はその言葉にこくりと頷き、そしてシンプルに口を動かした。


「小坂月夜(こさかつきよ)です。よろしくお願いします。」