推定両思い

「名越さん……良かったら、俺と付き合って下さいっ!!」


今度は下を向いて、真っ赤になりながら颯太が言った。


「うん、アタシで良かったら……」


麻ちゃんがしてくれたチークの効き目が無くなる程、顔が赤いと思う。


颯太がいつ告白してくるんだろう?なんて、軽く考えてたアタシ。


颯太自身もそうだったのかな?


噂が広がり、お互いに目で追っていたアタシ達。


両方にまんべんなく噂は広がっていて、勘違いで終わらずに良かった。


「……断れたらどうしようかと思ったよ。……そうだ、携帯持ってる?」


「……持ってない。だから、さっきね、麻ちゃんを捜すの大変だったの」


「そ、そうなんだ。ありがとう、秀一郎の為に。じゃあさ、明日から一緒に帰ろう?」


「……帰れないよ、麻ちゃんいるもん」


「………」