「凜、もうすぐ昼休み終わるんだから、早く食べちゃいなよ!!次は、美術だから、移動でしょ?」


「うん、ごめん、ごめん!!」


一人で浮かれていて、一人で喋っていて、まだ半分以上、お弁当が残っている。


浮かれていたのは、今日の二時間目の休み時間に、トイレに行こうと廊下に出たら男子が噂してたから。


『颯太は、名越が好きなんだってよ!!』


『名越は可愛いけど、何か不思議ちゃんだよな?』


『俺は無理だね、一緒に居ると疲れねー?』


……アタシは、何を言われても気にしない♪


颯太が好きって思ってくれたら、それで良いから。


不思議ちゃんって言葉が、麻ちゃんの耳にも入って、麻ちゃんが男子を凄い形相で睨みつけた。


アタシ、不思議ちゃんって言われるけど、何でだろ?


分からないから、気にならない。


――まぁ、そんな事よりも、噂を聞いてから、ずっと浮かれている。


颯太は目立つから、学校内ですぐに分かった。


アタシも一目見て、すぐに好きになった。