推定両思い

飲み物を注文してから、麻ちゃんに連れられてトイレに来た。


鏡を見ると、涙の後が筋の様に残っていた。


「意地悪言ってごめんね。凜の事、もっと可愛くしてあげるよ」


麻ちゃんはバッグから、ポーチを取り出して、何やら、アタシの顔をいじり始めた。


「凜はスッピンでも可愛いけどさ、ちょっといじるともっと可愛くなるよ。ほら……」


ミニサイズのローションを塗り、ファンデにほんのりチークと色つきリップ。


鏡を見ると、ちょっぴり可愛くなった自分が居た。


泣いた後も消えていた。


「麻ちゃん、ありがとう♪アタシ、可愛いっ♪」


「こら、自分で言うなっ!!」


「あははっ」


席に戻ると待ちくたびれた二人。


席には既に、注文しておいたカフェオーレが二つきていた。


「遅い…って、あれ?凜ちゃん、可愛い!!」


「………」


秀一郎君が可愛いなんて言うから、恥ずかしい……。


隣の颯太は……?