でも、うん。
微妙。
まあいっか。
沙栄が幸せなら。
沙栄は、学年から嫌われている。
なんでかは、私にはわからないけど。
でも、泰助っていう人は
気にしないようだ。
二人で校舎に入った。
そのとたん、絵理と萌菜花が
私に飛びついてきた。
「あっりすぅ!おっはよう☆」
「おはよー」
横から、もう沙栄は消えていた。
絵理と萌菜花は沙栄のこともちろん
嫌っちゃってるし、
沙栄も嫌ってる。
ちょっと、後味が悪い。
私はどっちも好きなのに。
沙栄にも、ちょっとした友達は何人か
いるから、私たちが学校で一緒にいることはない。
絵理は、奥二重で色白だ。
髪は真っ黒でいかにも日本人って感じ。
萌菜花は、肌は日に焼けてて
こちらも奥二重。
えくぼがかわいい子。
絵理がこちらを期待のまなざしで見てきた。
「?」
私はきょとんとした。
「今日は何の日でしょーう?」
え?
なんかあったっけ?
あ!
そうだ!
今日は絵理とその彼氏、遊哉の記念日だ!!
「絵理、記念日おめでとう!!」
