ILOVE YOU




「,,,っえ。どうしたの?沙栄?」


答えない。

「ちょっとー。
沙栄ーねーねー」

「あぁ、ごめん。」

「どうしたの?」

「うーんと、、、。」

「いってよ」



沙栄は、日本人にしては大きな目を
瞬かせて、白状しはじめた。

「実はね、昨日から泰助と付き合ってるの。」


え?

「誰それ」

「矢富山泰助だよ!!」


わからん・・・

「ごめんわからない。」

「野球部の!!」



私はフェンスの中を覗き込んだ。

「え、どれ?」


「あの、ひと!!」

沙栄は、今ファーストにいる、
坊主を指差した。


「あー見たことあるかも。」

「もう、ちょうかっこいい♪」


私は冷めた目で沙栄をみた。

「ちょっと、ありす何その目ー」


いきなりのロケか。w

「いや。(笑)何組?」

「うちと同じ、1組だし。」


そうなんだー。

ん?


「で、どっちから?」

「あっち。」

「まじかw」


その時、その泰助とやらの人が
こっちをちらっと振り返った。


そして、顔を赤らめて
ほほ笑んだ。


もちろん、となりの沙栄は真っ赤になった。

まあ、かっこ悪くはないわね。