「ねぇ、仁美。知ってる?」


満天の星の下。


僕たち二人は芝生の上で仰向けになり、輝く星空を見上げていた。


「今光っている星は、実はとっくに消滅しているものがあるんだよ」


「消滅…?」


仁美は右側に寝そべる僕を見つめ言った。


「そう、消滅。星の距離が一年で進む光の距離で表されているのは知っているだろ?光の距離でないと表せない程の距離なのに、一つの星はとても遠い」


地球の吐息が僕たちの体にぶつかる。


生暖かく、柔らかい生地に包み込まれているようだ。