私が助けを求めたのは、芹沢京子さん。

彼の母親だ。

「杏奈ちゃんどうしたの?」

この人の顔を見たとたん涙が溢れ出す。

何か言いたいのに、言葉が出ない。

声が空気と一緒に外に漏れるだけ。

「杏奈ちゃん落ち着いて。とりあえず中にはいって。落ち着いたらゆっくり何があったのか話してくれる?」














「すみません。」


しばらくしてから私はやっと話せるようになった。

そして最近の祐介の様子をすべて話した。

「彼が彼じゃなくなっていく気がするんです。」

「主人はまだまだ仕事が終わらないし、とりあえずあの子は今家にいるのね?」


「寝てたからおいてきました。」

「とりあえず一度家へいってみましょう。主人にはメールしておくわ。」

祐介の父親は精神科医をしている。

彼は父親と同じ道を歩める自信がないといっていた。