祐介は次の日も、その次の日も頭痛を理由に会社を休んだ。

「奥さん。ちょっと旦那さんにたいして甘すぎるんじゃないですか?どうせ仮病でしょ?」

会社側の言葉に腹が立った。

「今まで無遅刻無欠勤だった人がなぜ今さら仮病を使う必要があるんですか?
思い当たる節でもあるんですか?彼が仮病を使ってまで休みたくなるほど追い詰めたんですか?」

相手は何も言わなかった。

やっぱり追いつめたんだ。

やましいことがあるやつは言い訳を考えるために黙る。

「とにかく主人はしばらく休ませます。クビにするならどうぞそうしてください。」

乱暴に電話を切る。

きっと彼はまたあの会社に勤めることはないだろう。

社会復帰すら難しいかもしれない。

疑わなかったと言えば嘘だ。

いつもお昼を回れば頭痛がなおる。

そんなに都合よくいくもの?

あの日から祐介は祐介じゃなくなってしまった。

本人に自覚はあるのだろうか?

私と話してるときは普通の祐介なのに、一人にすると奇怪な行動をとりはじめる。

私は寝ている祐介を一人のこし、ある人に助けを求めた。