生きんのが、凄い苦痛だった。
高校入学する時、また病院行ったら、
余命宣告されたんだよ。
もってあと1年だ、って。
だから俺決めたんだ。
残り1年、精一杯生きるって。
高校に入ったら、何もかも
変わった気がしたんだ。
初めて"遠野千尋"を知った時、
俺のただの直感だけど、
こいつはわかってくれるやつだ、
って思った。
なんでか、わかんなかったけどな。
そして、千尋が事故に遭いそうになってるところを見た。
真正面にトラック来てるってのに、
お前突っ立っててさ。
俺の体は勝手に動いて、
気づいたら千尋の事助けてた。
泣いてる千尋見たら、
こいつの事守ってやりたい。
って思ったんだ。
初めてだよ、こんな気持ちになんのは。
この高校は、皆いいやつばっかりだった。
光汰と海斗には、病気の事話したんだ。
でも、あいつらは同情しなかった。
周りのやつと同じ様に接してくれた。
それが、すっげぇ嬉しかった。
でも、誰よりも千尋がいいって思った。
こいつと、残り1年を過ごせたら
どんなに幸せだろうって。
だから、千尋があの日
本当の気持ち言ってくれて
嬉しかったんだよ。



