……本当に、平気なの?
凛人の細くなった腕には、点滴がつながれている。
夏風邪って………点滴つなぐほどひどいものなの…?
「……そっ…か。早く治してね」
「…あぁ、そうだな」
凛人は儚げに笑った。
いつの間にか美雪さんが、病室の隅で知らない女性と男性の隣に座っていた。
「凛人、この方たちは?」
あたしがそう聞くと、美雪さんを除くその2人は優しく微笑んであたしに軽く頭を下げた。
あたしも笑って頭を下げる。
「あ?…なんだ。千尋にはまだ言ってなかったな。この人が、俺の父さんと母さん」
…えっ。
凛人のお父さんとお母さん?
「海外から帰ってきたのに、まだ紹介してなかったな。ごめん」
凛人はお父さんによく似ている。
さっきの笑顔で、なんとなく似ていると思っていた。



