365日。






ドクンドクンドクンドクン………



心臓がうるさいくらいに脈拍数を上げる。




凛人に会うのが、少し苦しくなった。


緊張もしてきた。




病室のベットに横になっている姿を見たくないから?


辛そうな凛人を見たくないから?


それとも、ただ単に病院の雰囲気が緊張するから?




答えは出ないまま、凛人がいるという病室に着く。



大きく深呼吸をして、引き戸に手をかける。




「…凛人……?」



「……千尋?」




あたしは凛人に駆け寄った。


「凛人っ、凛人……」



なにをどう話したらいいのか、わからなくなった。




「座んなよ」


凛人はベットの近くにあった椅子を指差す。



「う、うん…」


言われるまま、椅子に座る。





「ごめんな、行けなくて…」



なんで……こんな時にまで謝るの…?




「謝んないでよ。……ねぇ、大丈夫なの………?」

「あ?あぁ、たいした事ない。平気。遅めの夏風邪かなぁ」


凛人は、ははっと笑った。