ドクンドクンドクンドクン………
心臓がうるさいくらいに脈拍数を上げる。
凛人に会うのが、少し苦しくなった。
緊張もしてきた。
病室のベットに横になっている姿を見たくないから?
辛そうな凛人を見たくないから?
それとも、ただ単に病院の雰囲気が緊張するから?
答えは出ないまま、凛人がいるという病室に着く。
大きく深呼吸をして、引き戸に手をかける。
「…凛人……?」
「……千尋?」
あたしは凛人に駆け寄った。
「凛人っ、凛人……」
なにをどう話したらいいのか、わからなくなった。
「座んなよ」
凛人はベットの近くにあった椅子を指差す。
「う、うん…」
言われるまま、椅子に座る。
「ごめんな、行けなくて…」
なんで……こんな時にまで謝るの…?
「謝んないでよ。……ねぇ、大丈夫なの………?」
「あ?あぁ、たいした事ない。平気。遅めの夏風邪かなぁ」
凛人は、ははっと笑った。



