365日。








あたしは死にそうなくらいに走った。



慣れないミュールが靴擦れをおこしている。



それでも一心に走った。


そんなの気にしている暇なんかなかった。









"凛人が、倒れたの"



言われた病院は、あたしのお母さんと同じ病院だった。





待ってて、凛人……っ、

すぐに、すぐに行くから!




祈る様な気持ちで、あたしは病院の待合室に駆け込んだ。


「あっ!千尋ちゃん!」

「美雪さんっ!」


息を切らしている暇なんかなかった。


「凛人はっ?凛人はどこですか⁉⁉」

「大丈夫だから、千尋ちゃん。落ち着いて!」




美雪さんは怖いくらいに落ち着いていた。



あたしの背中を軽く叩くと「行こうか」とあたしの手を引いた。